僕に負けず劣らず(ひょっとすると僕以上に)歴史が好きな高校生のAさん。


授業後、たまに歴史に関するオタクトークを繰り広げています。


過去には…、

A:「先生、私いま戦国武将にハマってて…  」

J:(戦国武将… ?真田幸村、上杉謙信、それとも渋いところで島左近かな?)

A:「榊原康政なんですけど。知ってます?  」

J:「お~っ。徳川四天王の1人やん!」

*榊原康政 :上野国舘林藩(現在の群馬県館林市)の初代藩主。徳川氏の家臣。徳川三傑・徳川四天王・徳川十六神将に数えられる。

J:「しかし、なぜに榊原? 渋すぎん? 同じ四天王でも、蜻蛉切で有名な本田忠勝じゃないんやね。」

*本田忠勝 :伊勢桑名藩(現在の三重県桑名市)初代藩主。徳川氏の家臣。
 *蜻蛉切 :本田忠勝の愛槍。刃長43.8cmの笹穂型の大身槍。穂先に止まった蜻蛉(とんぼ)が真っ二つになったという逸話からこの名が付いた「天下三名槍」の一つに数えられている名槍。

…とか。


あるいは…、


A:「先生。最近こんなの作ったんですけど…。」

1754979373154

J:「えっ。すごいやん。これ、巡洋艦…、かな?」

A:「はい。鈴谷って言うらしいです。」

1754979373126
A:「この独特の煙突がめっちゃ気に入って、買いました!」

J:「いいなあ…。俺は、大和(メタリックナノパズル)以来、戦艦作ってないなあ… 
IMG_20210504_111929790
IMG_20210504_112217989
という会話を交わしたこともあります。

*注 この重巡洋艦「鈴谷」は、1944年レイテ沖海戦に参戦し沈没。その際に「鈴谷」乗組員の救助活動にあたった駆逐艦の1隻が、8/15に映画が公開される「雪風」だったそうです。 




「わかってもらえる人に、少しでも話を聞いてほしい!  」
僕は中学生の頃、歴史好きなオタクの友達が、まわりに一人もいなかったため、
「昨日のNHK特集シルクロード見た? 敦煌の莫高窟(ばっこうくつ)! めちゃくちゃすごかったよな⁉   」
莫高窟
という会話を交わす相手がいませんでした…。


Aさんが僕と同じなのかどうかは分かりませんが、歴史に関する話を聞く時間は、常にワクワクする時間  なので、いつも楽しく会話させてもらっています。



つい先日も、

A:「先生。この前、広島に行ってきましたっ!」

J:「広島?ウチも家族で宮島とか行ったけど、どこに行ってきたん?」

A:「美術館で日本刀とか甲冑とかいろいろ見てきました!めっちゃくちゃ良かったです!!!」

J:「へぇ~。いっぱいあった?」

A:「めちゃくちゃたくさんあって…。こんな感じでした! 
(スマホに、これでもかっ!  というくらい納められている日本刀の写真を拝見)

1754968613731

J:「ほんまにいっぱいあるんやね~。」

A:「はい。だから全部見終わるのに、めちゃくちゃ時間かかりました  

  「あと、他にも甲冑とか銃とかもあって。見ます?」

J:「おおっ。銃は見てみたい!見せて 


A:(スマホで写真を検索して)「これです」

1754968613713

J:「おおっ! これは幕末の戊辰戦争でも使われた、英国製のエンフィールド銃やん!! すげえええ! マジか⁉    」

J:「次も銃かな? 」(写真をスライドさせる)








(えっ…。 …………。 ゴシゴシ  ………   ゴシゴシ …?)



J:「Aさん、ごめん。俺がスマホの操作を間違えたのかもしれのやけど、なんかいま、戦国時代の兜をかぶって、めっちゃ笑顔のおじさんの写真  が出てきたんやけど…」

A:「えっ!!…。 あ゛~っ!…それ、お父さんです(笑)  はっはっはっは~  

いやいや、娘のために広島まで喜んで付き合ってくれて、さらに兜までかぶってくれるお父さん。
かなり有難い存在ですよ。それを豪快に笑い飛ばしてる場合ではない気が…。

とにかく、
次も銃の写真かな? 
それとも甲冑の写真かな? 
という、こちらの想定のはるか上  を駆け抜ける1枚の写真 

しかも、先ほどのエンフィールド銃の写真の次の1枚だけが、
なぜか「兜をかぶったお父さん」という奇跡。

本当はお父さんの許可をいただいて、あの時の僕の驚きとその後の爆笑を、ぜひ味わっていただきたかったのですが、さすがにこの時代にそれは完全アウト  なので、皆さまの想像力に委(ゆだ)ねたいと思います。